【午睡時のカーテンは何が適切か】
一般に午睡をするお部屋の窓には、「遮光カーテン」をお使いの園が多いと思います。もちろん午睡時にお部屋を暗くするのが目的で、暗くないと眠れないという園児さんもいらっしゃるかもしれません。ところが、そうでないやり方があります。
小児神経科医の神山潤氏に、『「夜ふかし」の脳科学 子どもの心と体を壊すもの』(中公新書ラクレ)という本があります。それによれば、人間の生体時計を24時間周期に同調させることが、生後3から4カ月で可能になるのですが、午睡時に真っ暗にすると、せっかく育った同調機能に悪い影響を与えるのではないかというのです。視覚に障がいがあれば、この同調がしばしば機能しないことが知られていますが、これは光刺激が中枢に伝わらないためと考えられているそうです。この説に従うなら、午睡の部屋は明るい状態でよいということになり、少なくとも「遮光カーテン」は不要と考えてもよいかもしれません。
蛇足になるかもしれませんが、午睡をしっかりさせるために、午前中は疲れ切るまで外遊びをするという園もあります。これは、暗いから眠るのではなく疲れたから眠る、という考え方に基づいているようです。②につづく
(大塚謙太郎)
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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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