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保育園の園舎建築の設計専門家・ちびっこ計画の日々

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B-ismに掲載されました2

私の母校、佛教大学の広報誌「B-ism」第7号の、OB OG Listen up のコーナーに掲載されましたので、お知らせします。
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子どもたちにとって最適の保育園をつくりたい
 <教師志望から建築家の道へ>
「ちびっこ計画」。独立する際、建築士事務所としては少しかわった名前にした。保育所等、子どもを対象とした建築物を専門に設計する、という決意の表れだった。専門に特化するということは、それ以外の仕事は来なくなる、ということでもある。自らを追い込んだ。
 佛教大では文学部史学科(現在の歴史学部)に在籍。子どものころから歴史が好きで、地理歴史科の先生を目指して大学の門をくぐった。転機は3年生の時に起こった阪神大震災だった。実家は兵庫県明石市で工務店を経営。父が建てた家の修復を手伝うべく、被災した街を奔走した。教職志望だったのが、建築へと気持ちが傾き始めた。大学卒業後、専門学校に入り建築を学んだ。
 勉強を続けるうちに建築のなかでも学校の設計に興味が湧き、卒業後は文教系の強い設計事務所に。しかし、いざ入ってみると次々と任されるのは保育園だった。保育園というのは小さい子供が集う場所ならではの配慮が必要な施設である。最初に担当した園は大学付属の園だったこともあり、「指詰めはこう考える」「ロッカーはこう作る」など具体的な対策を学問的な裏づけとともに教わった。しかし、次に担当した保育園でその知識を生かそうとすると、園長から「違う」と。「よその保育を押し付けないでほしい」と言われた。その時、気づいた。「園舎の設計の正解は一つではない」。その深さを知ると、保育園の仕事にがぜん興味が出てきた。

 <一人の大人として何ができるか>
全国の保育園を見て回った。建築士としては、モダンなデザインへの憧れはある。しかし、「いくらいいデザインでも、保育ができないと意味がない」。一方、安全だけを追求していては、「大人の都合でしかない」という思いも出てくる。数多くの園舎を見るうちに、「子どもたちにとって最適かどうか」が最優先だと思えるようになった。
2008年に独立してからも、その思いは変わらない。建て替えの依頼を受ければ、その保育園をまる1日観察し、分刻みに生活の記録をつける。さらには、模造紙に園の見取り図を描き、そこに保育士に気になっている箇所を書き込んでもらうワークショップを開く。そこから導き出される「子どもたちにとって最適」な保育園は、それぞれの園によってまったく違う。「園の数だけ答えは存在します。一つとして同じものはありません」
 子どものサイズに合わせて天井を低くした部屋を作ったり、園庭が狭い時には建物の中まで庭にしたり。現場に寄り添って見えてきた課題を、ユニークな発想で解決する設計は評価を受け、すでに関西圏を中心に約30カ所の保育園に携った。
 大塚さんには、自分が設計した保育園で、自らの設計が正しかったのか検証してみたいという思いがある。そのため、保育士資格の取得を目指して独学中で、すでに8科目中6科目を合格した。
 現在、戦後のベビーブームに建てられた保育園が建て替えの時期にきている。「今、建築家が踏ん張って新しいスタイルを作っていかないと。一人の大人として、子どもたちに何が出来るかを考えています」

        佛教大学 広報誌「B-ism」第7号OBOGListenupより

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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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by chibicco-plan | 2013-12-16 21:17 | ●保育園について執筆・講演
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