「建築ジャーナル」2014年12月号の、特集『こども いのち みらい まもりはぐくむ建築』連動企画として、こども施設建築集が掲載され、その中で学校法人森友学園エンゼルキッズ押切様が、紹介されましたので、お知らせいたします。是非ご一読ください。
(大塚謙太郎)
0~3歳児までを預かる名古屋市独自の方式の保育所である。和の雰囲気を取り入れたデザイン、ステージやベンチにもなる階段、受入コーナー方式のスタイル、保育士自身がこどもの感覚に近づく必要があるという考えを形にしたかくれがコーナー、心が不安定になったこどもたちが落ち着ける小部屋、プラスチックではない本物の石や木といった材料を使うこと等、これまで学園が培ってきた「学校法人が考える保育所」を継承し具現化した。もえしろ設計を用いた構造を採用し、木造2階建て準耐火建築物の園舎としたのも、準耐火建築物で陥りがちな「施設」的な場ではなく、「おうち」に近い「暮らしの場」を提供するという学園が実践してきたスタイルのひとつだ。存在感のある美しい木肌の独立柱は、21cm角の杉の無垢材である。手洗いは既製品を用いず、低年齢児の体型に合わせた寸法でステンレスで製作したり、VOCやウィルスを分解する性質としっとりとした質感を併せ持つ漆喰壁紙を使用、こどもの生活領域である床面付近の通風を行う地窓を設けること、上階の音を遮る遮音床工法の採用など、上質な暮らしを実現するための工夫で満たされた園舎である。新設園ながら開園後間もなく満員となり、今日もこどもたちの明るい笑顔があふれている。
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ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所●---------------------------------------------●