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保育園の園舎建築の設計専門家・ちびっこ計画の日々

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くじら雲の印象 その1

 「20人にしているんです。これより多くなると、こどもたちが1日をどう過ごしているか、わからなくなるんです。」くじら雲の定員を尋ねたとき、依田さんは、このような答えを返されたと記憶している。法定の最低基準に従って保育士数や、児童数を決めている、大方の保育所とは違い、明確な目的を持って決められた定員だ。芋を洗うような、都市部の保育所とは雰囲気が違う。くじら雲のような保育が、認可を外れないとできないというのは、なんとも歯痒い。
 焚き火スペースがよかった。適度な大きさで、背面が小さな崖になっているので、開放的でいて、かつ包まれたような空間になっている。本当に羨ましい場所だ。そこで、小さく穏やかな声で、輪になったこどもたちに話し掛けている依田さんの様子を見て、「保育」ではなく「当たり前の暮らし」を感じた。今までに見たいくつかの保育所では、大声で呼び掛ける保育士さん、という印象しかなく、保育所はこどもたちの「暮らしの場」という言い回しを、きれい事だと思い始めた矢先のことで、うれしかった。
 多くのこどもたちのリュックには、鈴がついている。こどもたちに尋ねると、熊除けの由。生きるための知識を、しっかり身につけている様子が伺えた。熊が出るほどの自然環境は、都心部のこどもたちから見れば、羨ましい限りだ。


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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2018-07-20 13:12 | ●保育園設計の考え方

「めぐみ幼稚園」様が「スクールアメニティ2018年7月号」に掲載されました。

「日本基督教団 茨木教会附属 めぐみ幼稚園」様が「スクールアメニティ 2018年7月号 Vol.33/No.388 (-事例で見る- 幼児教育・保育施設の環境について)に掲載されました。

掲載ページはこちらです。


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# by chibicco-plan | 2018-07-06 14:02 | ●お知らせ

ホームページを更新しました!

ホームページを更新しましたのでお知らせします。

「大阪キリスト教短期大学附属 グレース幼稚園」様のページを追加しました。
ぜひご覧ください。
掲載ページはこちら
です。


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# by chibicco-plan | 2018-07-02 10:55 | ●お知らせ

叱りをデザインする その2

『叱りをデザインする』 その2

 時として、「叱って」はならない場面もある。私は、都心部の子どもたちの環境に、ビオトープを普及させる活動に参加している。保育園で子どもたちと一緒に池を掘り、メダカを放流したときのことだ。「めだかさん、すくってみい。」というと、池の周りに座った子どもたちは、一斉に、そして素晴らしい勢いで上からメダカを掴む(掬うのではなく)。池や川で生物を掬い取った経験が無いために、「掬う」という動作がわからないのだ。力いっぱい掴まれたメダカは、その小さな手の中で潰れてしまう。そんな時、彼らは驚きと、恐怖と、後悔が入り混じったなんともいえない表情をする。叱ってはならない。彼らは、その瞬間、自らの手で生物のいのちを奪うという取り返しのつかない行為に、痛恨の涙を流し、心のすべてを揺らしてメダカに詫び、自分自身を激しく「叱って」いるはずだ。こうして彼らはいのちの尊さを学んでいく。
 子どもは遊びの天才だから、四角い部屋と平らな園庭でも無限に遊びを生み出していく、という考え方がある。子どもの能力に甘えきった、都合のよい解釈だ。山で転び、岩場ですりむき、池でびしょ濡れになり、押入れに潜って頭を強かにぶつけ、痛みとともに生きる力を育む。障子を破り、畳を傷め、穴を開けてしまった襖を修繕する労苦を体験して、物を大切にすることを覚える。管理者から敬遠されるものには必ずといっていいほど、「叱る」チャンス、つまり育つチャンスが潜んでいる。子どもは「叱ら」なくても大きくなっていく。でも、大きくなることと、育つことは意味が違う。「叱る」ことが苦手な人もいる。「叱り」方がわからない時もある。うまく「叱って」もらえなかった人には難しいことだ。そんな時は、大地に、素材に、いのちに叱ってもらえばいい。
 我々保育家や建築家は、そんな思想をもって子どもたちの環境を考えられているだろうか。保育家はもっと、園舎や園庭のことを考え、建築家はもっと、子どものことを考えるべきではないだろうか。それぞれの仕事の境界線を引いてはいけない。子どもの育ちの鍵は、その境界線が交わるところにこそ存在するのだから。使いやすさよりも、造形の美しさよりも、安全よりも、快適さよりも、保育家と建築家に、最も求められるデザインの考え方。「叱り」をデザインすること。我々は、まず自らを叱らなければいけない。いつか、成長した子どもたちに褒めてもらえるように。

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# by chibicco-plan | 2018-06-28 16:06 | ●保育園設計の考え方

叱りをデザインする その1

『叱りをデザインする』 その1

 「それは、やめてください。吹き抜けなんてもってのほかです。」
 ある保育園での設計打ち合わせでのことだ。手すり越しに子どもが物を落とし、階下にいる子どもにあたって怪我でもしたら、父兄に申し訳が立たないと、園長は言った。
 私は、保育園をはじめとする子どものための建築設計に携わっているが、どの仕事でもこの手の話が出る。聞けば、近頃の父兄の中には、子どもが膝をすりむいただけでも怒鳴り込んでくる人がいるという。顔に怪我でもしようものなら、どんなかすり傷でも皮膚科(外科ではなく)へ連れて行く。傷痕をできるだけ残さないようにとの配慮なのである。
 本来保育士は、吹き抜けの手すりから物を落とそうとする子どもがいれば、それが階下のお友達にあたったらどうなるかを「叱る」ことによって考えさせ、子どもを育てていく存在であるべきだと思う。しかし、それ自体を回避しようとしてしまうのが現実だ。こんなこともあった。床に天然の杉板を使うことを提案したしたところ、「削げが刺さるから困ります。それに、子どもはすぐ汚しますから、掃除がたいへん。」と答えが返ってきた。結局、合成樹脂でコーティングされた、複合フローリングと呼ばれる工業製品を使うことになった。表面は平滑で、拭けばすぐに汚れは落ち、間違っても削げは刺さらない。しかし、本当にそれでよかったのか。
 子どもたちは、削げが刺さることで、体の痛みとともに自然素材の扱い方を学び、自ら雑巾をかけ、その労苦を知ることで、美しく使うという心を養っていく。それは自然物の「叱り」と呼べるかもしれない。こうして子どもたちは、「叱って」もらえるチャンスを少しずつ奪われていく。それは、子どもから学びを奪い、育ちを奪うということだ。

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# by chibicco-plan | 2018-06-27 16:05 | ●保育園設計の考え方