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保育園の園舎建築の設計専門家・ちびっこ計画の日々

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大阪府ホームページに騒音振動に関するヒアリング事例として掲載されました


大阪府環境管理室事業所指導課騒音振動グループの、子ども施設環境配慮手引書活用事業(平成29、30年度)において、ちびっこ計画代表の大塚謙太郎がインタビューを受け、建築士へのヒアリング事例として大阪府のホームページで公開されました。

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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2018-10-30 15:52 | ●紹介されました

「さくらづか保育園」様のご紹介

私ども、ちびっこ計画で設計を手がけました「社会福祉法人しらゆり会 さくらづか保育園」様をご紹介します。


あそびの発露

階段の下を利用した『えほんのあなぐら』、押入の下を利用した『かくれがこーなー』、床の高くなった『畳のステージ』、そして巨大な株立ちの皮むき丸太と、枝付の檜が林立する、『きのぼりほーる』。生活と遊びが溶けあった、以上児保育室棟の増築である。
吉野の銘木店で園長自ら選定した表情豊かな登り木には、こどもたちが鈴なりにしがみついている。たくさんの枝が突き出した檜材を前に、保育者が、施工者が、設計者が一堂に会して、登り、ぶら下がって、建て位置から枝の剪定までを体で考え、冒険と安全の狭間で悩み、家具職人の手で仕上げたものだ。
あなぐらのこどもたちは、寝そべりながらお気に入りのえほんを広げ、かくれがでは、家族ごっこが展開されている。ここには、計画された遊びではなく、自らの発露で遊ぶ、活き活きとしたこどもたちの自然な姿がある。構造は、敷地、前面道路とも狭隘で、極めて短い工期だったため、鉄骨造を敬遠し、燃えしろ設計を用いた木造準耐火2階建てとした。上階で暮らすこどもたちが、下階に気兼ねすることなく遊べるよう、木造の弱点である上下階の遮音性能に対して、サウンドカットシステムを用いた遮音床で補った。
ある保育講習会で、「保育士が設定したブロック遊びを終えたこどもが、『せんせい、もうあ
そんでもいい?』と言って活き活きと別の遊びを始めた。」という残念な話を聞いたことがある。耳の痛い話だ。よかれと思った保育そのものが、こどもたちの遊びを阻害していることがあるのではないだろうか。遊びの本質とはどのようなものだったのか、私たち大人は忘れがちである。幼い頃の薄れた記憶を手繰り寄せて、もう一度、思い出してみたい。


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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2018-10-23 12:05 | ●保育園設計の考え方

「母里保育園」様のご紹介


私ども、ちびっこ計画で設計を手がけました「社会福祉法人母里福祉会 母里保育園」様をご紹介します。

えほんと暮らす
「えほんがねえ、たくさんあるんですよ。」長年にわたって買い揃えたえほんをいっぱい読んでほしいという園長の希望は、園舎じゅうに散りばめられた「えほんコーナー」という形で実を結んだ。玄関脇に親子で読む「えほんのこべや」、廊下に「えほんのべんち」や「あるこーぶ」、はらぺこダイニング脇に床を掘り下げた「えほんのくぼみ」、保育室には押し入れ下を利用した「えほんのかくれが」を設え、「陽だまりでっき」にも本棚とベンチが置かれた。こどもたちは、いつでも、どんな気持ちの時にでも、えほんに触れることができる。一人でながめ、おともだちと囲み、先生に読み聞かせてもらい、暮らしに溶け込んだえほん棚から、きっと記憶の中で生き続ける思い出の一冊に出会えるだろう。

美しく暮らす
保育所はなにか雑然しがちなものだが、ここでは自然体ですっきりとした暮らしの時間が流れている。壁面収納を充実させ、扉付園児ロッカーを廊下に作りつけて収納物を見えなくし、さらに、よごれ物をきれいに収納するため、扉付パススルー棚を沐浴室や便所に設えるなど、収納物を視覚的にコントロールした。床に張られた素足に快適な杉の厚板が時間に優しさを与える。身長を遥かに超えるカプラの巨大作品が積みあがり、枝付丸太には、こどもたちが攀じ登ったり、ぶら下がったりしている。母里の園舎は、過度に主張せず、こどもたちの暮らしを、美しく、優しく包み込む。
「明らかにこどもが変わった。」と園長は言う。旧園舎の時と比べ、喧嘩が減り、ゆったりとした暮らしになった。ここでのこどもたちの生活そのものが、美
しくたゆたう時間を紡ぎ出している。

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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所

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# by chibicco-plan | 2018-10-05 17:25 | ●保育園設計の考え方

「レイモンド西淀保育園」様のご紹介


私ども、ちびっこ計画で設計を手がけました「社会福祉法人檸檬会 レイモンド西淀保育園」様をご紹介します。

どんどんよごす
柔らかい肌触りと断熱性、そして、こどもたちに本物にふれてもらうために、保育室の床に30mm厚の杉板を使ったが、汚さないようにとの配慮からこどもの生活に制約をかけてしまい、保育が窮屈になるという懸念があった。園舎はよごしてなんぼである。園舎をきれいにお使いいただけるのはうれしいことだが、本末転倒にならぬよう、どんどんよごせる部屋を設えた。清掃の容易な床シート貼りの「ランチルーム兼キッズアトリエ」では、食事やクッキング、製作遊びなど多様なメニューに対応できる。また、大地のひろばと連続する半屋外の「おやねのひろば」は、床をタイル貼りにし、壁に光触媒による浄化作用のあるサイディングを用いて、絵の具や水などを多用する遊びを大胆に展開できるようにした。雨天時の遊び場や、雨具の着脱スペースとしても機能するピロティー空間だ。食べ物が床に散乱しがちな手づかみ食べの時期に、食べる喜びを思いっきり感じられる保育ができるよう、乳児の保育室内に食事コーナーを設けて乳児の食寝分離を行い、他の生活空間より清掃しやすい床材を選んだ。その他、玄関の正面に「クックギャラリー」を設けて加熱調理の様子を見ることができるようにしたり、屋外遊戯場の不足を補うため、2階と3階の屋上に土を載せた「おそらの園庭」を設け、草花や虫等の生き物と触れ合える場を補ったり、弱視でも昇降しやすいよう階段を色分けしたり、収納下を利用した「かくれがコーナー」を設け、時々の気持ちによって居場所を選べるようにする等の工夫を盛り込んだ。制約の少ない環境が、保育の幅を拡げ、その幅の広がりがこどもたちの豊かな生活につながっていく。
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ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2018-09-26 10:49 | ●保育園設計の考え方

「子どもゆうゆう広場 みらくるちっぷ」様のご紹介

私ども、ちびっこ計画で設計を手がけました「特定非営利活動法人 出発のなかまの会 子どもゆうゆう広場 みらくるちっぷ」様をご紹介します。

あつまれキセキのかけら
低層木造密集地の旗竿敷地に、1階を児童デイサービス、2階をグループホームとし、事業主のたっての希望で、燃えしろ設計を用いた木造準耐火建築物として合築した。
敷地は四周を隣家に囲まれ、閉塞感があったので、玄関の延長を「とおりにわ」として「ひかりの中庭」と連続させて抜けをつくった。また、木造の弱点である遮音性を補うため、2階床と1階天井裏を強化石膏ボードなどを用いた遮音構造床としたほか、建物の色数を減らす、換気扇の擦過音対策、案内手すり、床の衝撃吸収、「かくれが」空間、多様な触感の床材、感覚統合遊具の懸架、離れの小部屋、空間の明暗、場の高低、素材の硬軟など、さまざまな個性を持つこどもたちに快適に使ってもらえるよう工夫した。
こどもたちは、私たちの期待通りの使い方と同時に、私たちの期待以上の使い方もしてくれた。安全、効率、コスト、機能など、有限性の総合体である建築が、彼らの無限性にどこまで寄り添えるのか。無限の成長を、有限がどこまで応援できるのか。大人たちの思いがこめられた建物は、「みらくるちっぷ」と名付けられた。「ちっぷ」とは韓国語で「家」。奇跡のかけらたちと、奇跡を忘れたことのない大人たちが集まる家。
(大塚謙太郎)
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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2018-09-20 17:21 | ●保育園設計の考え方