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保育園の園舎建築の設計専門家・ちびっこ計画の日々

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日々の雑感:プラッチックトロンボーン

 私のトロンボーン歴は26年で、実は建築歴より長い。ここ2年ほど、忙しさに感けて御無沙汰しているところに先日発見したのは、なんとオールプラッチック製のトロンボーン。その充実のカラーラインナップは、きんぴかの真鍮製高級トロンボーンたちの間でひときわ鮮やかな、赤・青・黄・緑の4色。スライドやウォーターキーはシックなブラックである。ボアはだいたい細管で、調子はかろうじてB♭。ベルは、カラーガードに殴られようが、野球応援で硬球があたろうがへこみそうもない頑強な肉厚樹脂二枚取りだ。ぺらぺらの肩紐付きソフトケースに、リムに平らな面がほとんどない透明超軽量マウスピース、楽器に貼付済で剥がすとねばねばが残るMade in china文字入り大型シールなどの充実の付属品がついて、お値段は高いのか安いのかよくわからない13,800円である。
 本来なら高級楽器を買い求める客が使うであろう試奏室を占拠し、とりあえずチューニングB♭をひと吹き。・・・!。驚くなかれ、かなりイイ音がする。ひょっとして自分が上手になったのかと思ったが、2年もさぼっていてそんなはずはない。A4サイズ片面1枚のみの取扱説明書をよく見れば、発売元はノナカ貿易とある。ノナカの自信作であれば、これは買いであろう。

 それ以来、少年パズーがごとく、朝一曲吹いてから(但しpppで、2歳の娘にむかって「おかあさんといっしょ」の歯磨きの歌)、仕事に出かける毎日である。私は黄色を購入した。残る3色をどなたかにお買い求めいただいて、プラトロ四重奏団を結成し、全国保育所ツアーをするのが目下の夢である。どなたか、ご参加いただける奇特な方はいらっしゃらないだろうか。
(大塚謙太郎)

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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2012-07-19 23:08 | ●日々の雑感

おすすめの本:『虫眼とアニ眼』

 養老孟司と宮崎駿の対談集である。巻頭に『養老さんと話してぼくが思ったこと』と題した宮崎氏の画集がある。保育園やホスピスから、理想のまちづくりまで描くその数々は、建築士の私にとって強烈な刺激である。
 宮崎氏の描く保育園は、床が「三和土」であり、屋上は「はらっぱ」であり、それらが多層に絡み合う土と緑に覆われた立体空間だ。そして宮崎氏は「大人が手と口を出さなければ子供達はすぐ元気になる!!先生たちの考え方が鍵だし、親の考え方を変えるのも大切。その裏づけになる空間が要る」と語る。その「裏づけになる空間」を設計するのが私たちの仕事だ。しかし、「プラスチックをかくす」ことは難しく、「木や土」すらままならない。ましてや「水と火」などなかなか実現できない。
 宮崎氏は「あぶなくしないと子供は育たない」と言い切る。それを提案するには勇気が要るが、それを、建築士としてではなく、こどもたちに対する大人の責任として考え、こどもたちの成長に寄与する園舎を、前向きに提案していくべきだと考えるようになった。
 建築士は、コスト・法令・工期・性能・安全性など様々な要件によって雁字搦めに縛られている。実現させるのは簡単なことではない。しかし、空想の世界で筆を走らせる宮崎氏に羨ましさを感じてはいけないと思う。現実にそれを作ることができるのは、私たち建築士であり、むしろ宮崎氏から羨望のまなざしで見られなくてはいけないはずだからだ。
(大塚謙太郎)

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BOOK DATA
虫眼とアニ眼
【著】養老孟司、宮崎駿
価格●460円(本体438円+税)
出版●新潮社
発行●2008年2月
ISBN●978-4-10-134051-7
15.0×10.8cm、192頁

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# by chibicco-plan | 2012-07-10 00:06 | ●おすすめの本

お知らせ:法定の定期講習を修了いたしました

 建築士事務所に属する建築士は、「建築士法」において、3年ごとの建築士定期講習が義務付けられています。去る5月28日に、大阪国際会議場にて実施されました定期講習に出席し、修了考査に合格いたしましたので、ご報告いたします。
(大塚謙太郎)
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# by chibicco-plan | 2012-07-02 15:32 | ●お知らせ

日々の雑感:だまし絵

 私は、エッシャーのだまし絵が好きだ。
下の絵は、1961年に発表された『Waterfall(滝)』というリトグラフ作品で、大好きなもののひとつだ。
流れ落ちた滝の水は、滝壺から水路を昇って、再び滝となって流れ落ちる。
水路に建つ4本の柱たちは、水路を支えているのか、どうなっているのか。水路は水平なのか、傾いているのか。分けがわからない。
三次元では有り得ない世界が、さも自然に成立しているように表現されている。
正直言って眩暈を覚え、3秒以上直視できず、適切な解説をすることができない。やりすぎである。建築技術者を愚弄するにも程があるであろう。

 私は子どもの頃、この絵を見て眩暈を覚え、見てはいけないものを見たような気になり、吐き気まで催し、ついにダウンしてしまったことがある。
素晴らしい芸術を前にして「吐き気」とは何かという向きもあろうが、この絵はそれほど幼い私の心と胃を揺さぶったのである。
今もこの文章を書きながら、目がまわっているので、なかなか筆が進まない。
エッシャーの絵は、いい気分にさせてくれるどころか、私などはむしろ体調を損ねるのだが、カチカチに固まった心を強い力で揺り解いてくれるのだ。
それは一種の感動に違いなく、私はそんな「へんな」芸術が大好きなのである。

 来月、滋賀県守山市の佐川美術館で「M.C.エッシャー展 -変容・無限・迷宮-」が開催される。もし『Waterfall』の前で、口を押さえてよろめいている人を見かけたら、それが私である。
(大塚謙太郎)
 
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# by chibicco-plan | 2012-06-30 09:35 | ●日々の雑感

日々の雑感:光る泥だんご

 保育園をお訪ねするとよく見かけるのが、こどもたちの作った「光る泥だんご」である。
もちろん私も持っている。以前にタイルメーカーINAXの常滑研究所で作らせてもらったものだ。
その完全なる球体は、上質の鼻の油と無添加の耳の油でもって長年磨き続けられているので、その滑らかな土肌は深遠なる光沢を湛えている。
我ながら素晴らしい出来ばえである。はっきり言って、保育園のこどもたちのより上手い。

 ところが、先日机の上を片づけていると、大切な「おだんご」を誤って床に落としてしまった。
割れたに違いないと思った。が、ひびひとつ入っていない。

そこで、少し考えた。

いくら私の腕がイイと言っても、いくら球体が構造耐力上合理的な形態だと言っても、机から落としたら割れるのが普通ではないか。
そう言えば、INAXの美人のお姉さんは、「特別に調合した土」だと言っていた。さらに「誰にでも簡単に作れますよ」とも言っていたような気がする。

本当の「光る泥団子」を作るのはそんなに簡単ではないはずだ。
誰しも試行錯誤を繰り返し、でこぼこの失敗作を積み重ねながら、理想の「おだんご」ににじりよっていくものではなかったか。

 わたしは、恥じた。

いくら美人のお姉さんにのせられたとはいえ、誰にでも簡単に作れるよう調合された土を使い、たった一回の挑戦で完璧な仕上がりを見せるよう計算された工程で作った「おだんご」と、
こどもたちのたゆまぬ努力の結晶たる「おだんご」を比べたとき、本当に光っている「おだんご」はどちらなのか、火を見るより明らかではないか。

 私は、こどもたちの生活の場である保育園の設計において、内容の伴う「本物」というものを、あらためて大切にしようと、その時思った。
(大塚謙太郎)
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# by chibicco-plan | 2012-06-20 09:36 | ●日々の雑感