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保育園の園舎建築の設計専門家・ちびっこ計画の日々

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『こどものためにで木ること』~内装に係る法規制を考える~

日々の業務の中で思うこと

 正直に言いますと、いま木材利用を声高に言っても、遅きに失した感があります。しかし、どうでもいいと思っているわけでなく、やらなければいけないと思っているのですが、さらに包み隠さず申しますと、私は林業を振興しようとか、山を再生しようとか、そういうことに直接興味があるわけではありません。「木」を使うことは手段であり、目的ではないからです。 それは、設計者として問題のある発言かもしれませんが、設計というものを、こどもたちが生活し、そして育っていくための場を作る手段の一つにすぎないものだと私は考えていて、建物とはその道具であり、木はその道具を作るための材料の一つと考えています。この際、洗いざらい申し上げますと、私は設計の中で積極的に「木」を使おうとは一切考えていません。ただ、できるだけ「本物」を使おうと考えているだけなのです。

 「本物」と言えばいろいろとあります。石もそうですし、漆喰もそうですし、煉瓦も、コルクも、瓦も竹も、そして木も「本物」です。私が、ここで「本物」でないと考えているのは、例えば、石積調吹き付けとか、打ちっぱなし調ビニルクロスとか、木目調ポリ合板とか、籐柄の長尺シートとか、そういう類のものです。はっきり言って嫌いです。これを使うときは、心引き裂かれる思いで仕上表を書くのです。残念なことは、「本物」の材料の物性は、ほとんど全てにおいて人工材料に劣るという事実です。

 木質化された空間が、あたたかみがあってよいといいますが、それがもし、木目柄の長尺シートの床と、木目柄のオレフィンシートの建具と、木目柄のビニルクロスの壁と、木目柄のメラミン合板の家具で構成されていたとしても、保育士の先生方は、たぶん同じことをおっしゃいます。その「あたたかみ」なるものが、「本物」でなくても成立しているとすれば、大切なことは表面の見えがかりではないのです。


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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2019-05-14 10:00 | ●保育園設計の考え方

日本における保育園の誕生


 明治期の民間保育所の立ち上げから、大正期の公立保育所の設立まで、我が国における保育所の黎明期を詳細に追う。東京女子師範付属幼稚園や二葉保育園から、岡弘毅の保育一元化論、石井十次らの児童保護事業なども射程に収め、先人たちが子どもたちの貧困に対し如何に尽力してきたのか、定員・保育士数・保育料・日課・法令・貧困の実情など、あらゆる視点から当時の状況を考察し、園舎の平面図や当時の写真など豊富な資料とともに詳らかにする。

小規模保育所の公募が始まり、株式会社に門戸を開く動きが加速し、来年度から認定こども園の新制度が動き出すという変革期にあって、保育所は急速に多様化し、その数を増やしている。先人たちの尽力の積み重ねで切り開かれてきた保育所というシステムを、継承し、未来へつないでいく責務を負う私たちが、まず理解する必要があるであろう保育所の原点を知ることができる貴重な一冊だ。

果たして、現代の私たちが作り、運営している保育所が、先人たちの想いを継承できているのか、自らに問いかけてみたい。

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BOOKDATA

日本における保育園の誕生

子どもたちの貧困に挑んだ人びと

【著】宍戸健夫

価格●本体3200+

出版●新読書社

ISBN978-4-7880-1180-9

発行●20148

仕様●21cm×15cm378




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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2019-05-07 10:00 | ●おすすめの本

『重い障害を生きるということ』

私の専門は保育所建築の設計だが、先日、児童デイサービスの設計依頼をいただき、こどもたちの「障がい」について考える機会を得た。そこで出合ったのが本書である。

 筆者は第一びわこ学園の園長を勤めた医師で、「筋緊張で頭が反り返り一本の丸太棒のようになっている子、水頭無脳症で大脳や小脳が全く無い子」など、重い障がいを持つこどもたちとの暮らしの中で、「こころ」とは、「いのち」とは何かを発見していく日々を綴る。

 後半では、「この子らを世の光に」と語った創設者糸賀一雄の奮闘を紹介し、日本における重症心身障害児施設の苦難の歴史が語られる。

 そして、たとえ脳がなくとも、「からだ」が快適な状態を作ることは可能で、それは「いのち」が気持ちよく存在していることであると説き、「死んだほうがまし」なのではなく「生きている喜びがある」から、それを実現していくことが社会の役割であると結ぶ。

 私にとって、こどもたちの「障がい」を考える道標となった一冊である。

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BOOK DATA

重い障害を生きるということ

【著】高谷清

価格●735円(本体700円+税)

出版●岩波書店

発行●201110

ISBN978-4-00-431335-9

17.4×10.6cm196



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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2019-04-30 10:00 | ●おすすめの本

ホームページを更新しました

ホームページを更新しましたのでお知らせいたします。

私たち ちびっこ計画で設計させていただきました「特定非営利活動法人くるみ会 くるみ保育園」様、「社会福祉法人まどか福祉会 まどかこども園」様の事例紹介を追加いたしましました。

「特定非営利活動法人くるみ会 くるみ保育園」様の掲載ページは
こちらです。

「社会福祉法人まどか福祉会 まどかこども園」様の掲載ページは
こちらです。

よろしければご覧ください、

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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2019-04-25 13:38 | ●お知らせ

「めぐみ幼稚園」様について NO.7

時流に流されない
外へ目を向ければ、待機児童数を減らすという大人の正義が振りかざされ、認定こども園や保育所が濫造されている。定員弾力化の名のもとに、園児の詰め込みが公然と行われ、突然死や虐待が後を絶たない。そのような過酷な状況であっても、生まれたこどもは預けるものという考え方が肯定されるこの時代は、こどもたちにとって生きやすい世の中とはいえないであろう。そのような流れに迎合せず、幼稚園のままこどもたちを見つめ続けていらっしゃる、変わることのないめぐみの保育が、この新しい舞台で末永く続いていくことを期待している。


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保育園、保育所の設計専門
ちびっこ計画 / 大塚謙太郎一級建築士事務所
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# by chibicco-plan | 2019-04-23 10:00 | ●保育園設計の考え方